はじめに:スーツは“記号”である
「スーツはすべて同じに見える」──そう思われがちですが、実際は**TPO(時・場所・目的)に応じた“格”**が存在します。
この格を誤ると、どんなに高級な服でも評価はゼロ。逆に、正しい装いは、あなたの信頼感と品位を支えてくれます。
格式を知り、正しく装うことは、大人としての“礼”なのです。
【第1章】フォーマルの3分類とは?(日本式)
日本におけるドレスコードは、主に以下の3つの格式に分類されます。
・正礼装【Formal】 :結婚式(主役/親族)、叙勲、公式行事
・準礼装【Semi-formal】:結婚式(ゲスト)、祝賀会、式典
・略礼装【Informal】 :ビジネス、レストランディナー、通夜など
【第2章】格式別のスタイル解説
正礼装(モストフォーマル)
男性の場合:燕尾服(White Tie)またはモーニングコート(昼)、タキシード(夜)
• ■ モーニングコート:昼の最上級の正礼装。主に結婚式の新郎・父親・仲人などに着用。
• ■ 燕尾服(ホワイトタイ):夜の最上級の礼装。欧州の晩餐会などで着用される。
• ■ タキシード(ブラックタイ):夜の準正装(日本では“正礼装”扱いされるこも)。
準礼装(セミフォーマル)
男性の場合:ダークスーツ+白シャツ+ネクタイ(シルク)+黒靴
• ■ ダークネイビーやチャコールグレーの無地スーツが基本。
• ■ 冠婚葬祭すべてに対応可能な汎用性の高いスタイル。
• ■ 夏場はブラックのサマーウールなど通気性の高い素材が◎。
略礼装(インフォーマル)
男性の場合:ビジネススーツとほぼ同じ。素材や色で格の調整を。
• ■ 平服でお越しください=略礼装(ただしジーンズやスニーカーはNG)
• ■ 無地スーツ or 落ち着いた柄が好ましい
• ■ ネクタイ有無は案内状・シーンに応じて判断
【第3章】「スーツでのフォーマル対応」の要注意ポイント
1. 喪服=ブラックスーツではない
→ 本来の喪服は「漆黒の濃度」でなければNG。光沢のある黒はマナー違反になることも。
2. オールシーズン用の礼服は夏に不向き
→ 夏用礼服は、必ず別で用意を。汗だくの礼服は見た目にもマナー的にもNG。
3. ベスト(ウェストコート)で格が上がる
→ ベルトが見えるベストはNG。着丈と股上の関係に要注意。
【第4章】格式を知って、装いに“物語”を
オーダースーツカマクラは、ただの「服づくり」ではありません。
1950年代のスーツが完成形だったという美学を軸に、現代のTPOに応じたスタイルを再構築します。
出張採寸であなたの体型を的確に分析
冠婚葬祭用の“夏対応”礼服も対応
喪服・婚礼用のディティールも、細部まで正しく再現
【最後に】“格式”とは、服の中に込められた敬意です
その空間で自分が「どう映るか」ではなく、
その場に集う人々や、主催者への敬意を、スーツで伝える。
それこそが、装いの本質であり、オーダースーツの使命です。
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