私は、クリーニングには出しません!!
いきなり挑戦的な発言でごめんなさい。
しかし、事実です。
よほど、『シミがついた』や、『泥だらけになった』とかでない限り、スーツをクリーニングに出すことはありません。
それでも、10年以上前に仕立てたスーツは、コンディションもよく、今でも現役です。
むしろ、過去にクリーニングに数回出したことのあるスーツは、数年前に着れない状態までなってしまい、敢え無く廃棄されました。
クリーニングで使う洗剤は、獣毛素材を痛める
スーツに使われている素材は、多くはウールや、モヘア、又はカシミヤ等の獣毛(羊、ヤギ等の毛)です。
『自分の髪の毛だと思って考えてください』
家庭用洗濯洗剤で、ご自分の髪、洗ったらどうなりますか?
たぶん、ゴワゴワ、キシキシになるでしょう。
痛んで、ちぎれて、見るも無残な姿が見えると思います。
それを、大事な、数万円、十数万円のスーツに何故出来る?
何となく、ご理解いただけましたでしょうか?
そういう事なんです。
ですので、私は、余程のシミ等がついて、どうあがいても自分では取れないシミがある場合のみ、街の自店で洗濯してくれる、(チェーン店クリーニングではない)生地を知りつくし、汚れを知りつくした『洗濯の職人さん』がいるようなクリーニング店に駆け込む程度です。
(もっとも、スチーマーがあればだいたいの『汚れ』は自分で落とせますが)
シーズン中のメンテナンスは、ブラッシングでOK!!
普段、スーツを着たらどうしてます?
お家に帰り、余程のことが無ければ、3分ぐらいの時間はこれから伝えるメンテナンスに使っていただけないでしょうか?
帰って、スーツを脱いだら、ブラッシング3分
それなりのブラシはご用意いただきますが、脱いだスーツをハンガーに掛けて、下から上えブラッシング
そして、下向きに毛をそろえるように『さぁ~』っとブラッシング
ジャケットと、スラックスで3分もあれば終わります。
簡単でしょ?
今の時代、スーツブラシも進化し、安くても、とても使いやすく、いいブラシはAmazon等でも買えますので、探してみてください。
ちなみに、Order Suit KAMAKURAでは、最初の一着目をご納品の際、スーツブラシをプレゼントしております。これは、せっかく拘って作ったスーツを『ながくなが~~く着ていただきたい』という、私のスーツ愛のプレゼントです。
4月中旬から、5月にかけて、衣替えシーズンです。
さて、やってきてしまいました。『衣替え』シーズンです。
秋冬物の、貴方のかっちょいいスーツ、メンテナンス次第で、なが~~く着れるか、はたまた、あっという間に修理に出す羽目になるか?
ここが瀬戸際です!
どうしますか?
そのままクローゼットにINしますか?
それとも、やっぱり、メンドクサイからと言う理由で、クリーニングに出しますか?
『永く着たい奴は、スチーマーを買え!』
はい、そうです。
スチーマーを買ってください。
私の愛用のスチーマーは、たったの¥2,657(税込み)です。
高いですか?
十分、強力なスチーム出ますよ。
シーズン終わりのスーツメンテナンスに使うのは、この\2,657のスチーマーと、スーツブラシのみです。

↑コレと、

↑コレ
だけです。
一応程度に、しっかりしたアイロンも2つ持ってますよ。
アイロンワークでできる補正や、スラックスのクリースライン(センタープレスライン)を付けるようのヤツ。
では、実際のメンテナンス手順です。
※所要時間、スーツ1本(ジャケット、スラックス)で15分~20分
※ハンガーは、ジャケット用と、スラックス用があればBEST
スラックス用が無ければ、通常のハンガーの横棒に折って掛けても一応大丈夫です。
①先ずは、ジャケットから
しっかりスチーマーを温めて、蒸気が熱くなったら作業開始
・ジャケットの襟、(ラペル)を立てます
・立てたラペルから、上から下へと蒸気を当てます

・だんだんと、袖側へ移動しながら、ゆっくりと、蒸気を当てて行ってください
(この時、ジャケットの裾を軽く引っ張りながら蒸気を当ててあげると、シワも取れやすいです)
・袖は、肘の内側を(正面から見て前側)を下に軽く引っ張りながら、袖のシワを取るように蒸気を当てます
・背中側、やはり下に軽く引っ張りながら蒸気を当てて、シワがあればシワを取るように蒸気を当ててください
・ジャケット内側(裏地側)わきの下、背中を中心に蒸気を当ててください。
この場所は、汗をかく場所であり、匂いが残りやすい場所です
蒸気を当ててあげることで、匂いや、汗ジミを除去できます。
②そしてスラックスです
・ジャケット同様に、軽く下に引っ張りながら蒸気を当てて、シワを伸ばしてあげてください

・股側も蒸気を当てていきます
・スラックスは、汗がつきやすい、ウエスト周辺と、股下を内側からもしっかり蒸気を当ててください
・クリースライン(センタープレスライン)は、次のシーズンの前にアイロンでしっかりつけてあげれば大丈夫です
一通り蒸気を当て終えたら
ブラシを使い、毛を整えてあげましょう

この際は、服の上から下へとブラッシングだけで大丈夫です。

普段のメンテナンス時は、先に下から上へとブラッシングしていただきましたが、
もう、スチームで毛が『ふらぁっと』立ち上げている状態なので、下に慣らしてあげるだけでいいのです。
最後に、ジャケットの襟(ラペル)をもとに戻しましょう。
以上です!!
いうかがですか?
難しかったでしょうか?
クリーニング屋さんに『持っていく』方が、よっぽど『手間』だと感じませんか?
そして、大事なスーツの寿命を削ってしまうリスクまで犯して。
獣毛は、スーツになっても『生きている』
私はそう考えています
だから、メンテナンス次第では、何年も、何十年も、更に100年以上も前のスーツすら存在するぐらい長持ちし、風合いも経年変化し保ちます。

どうか、クリーニングに出す前に!
この記事を読んでほしい!
クリーニング屋さんが『ダメ』と言いたいわけではないのです。
『スーツは、生きている!』そう言いたいのです
適材適所で、スーツのメンテナンスをしてあげてほしいだけなんです。
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