卒業式

「気温30℃超えのなか、スーツを着るなんて正気じゃない」――たしかに、その感覚は正しい。スーツという装いは、もともと20℃前後の欧州気候を前提に設計された“文化服”です。つまり、本来は夏に向いていない服。にもかかわらず、我々は30℃を超えても、会食へ、プレゼンへ、商談へ、スーツを着て向かう。そこには「装いの使命」があるから。

価格じゃない。“格”で選ぶ服がある。スーツスタイルにおいて、**値段やブランドよりも「どう見られるか」**が何よりも重要です。街中でよく見かけるのが、        •       シャツがクタクタ        •       肩が浮いているジャケット        •       安い靴に合皮のベルトそして、極めつけに言われるあの言葉。「……それ、◯◯クロ（◯U）でしょ？」聞こえてなくても、相手の表情にそう書いてある瞬間。本当に辛いのは、「見た目で判断されている」と自分が気づいたときです。

夏になると、街にはポロシャツ姿の男性が増えます。ただし、その多くがチノパンやデニムと合わせていて、どこかラフすぎる。せっかくのポロシャツの上品さが、**「なんだか部屋着みたい」**に見えてしまうことも。実はポロシャツは、“合わせるパンツ”次第で印象が劇的に変わるアイテムです。その答えこそが、「スラックス」。

「スーツは仕事服」と思い込んでいませんか？それ、少しもったいないかもしれません。実は今、**「週末に着るスーツ」**が静かに注目を集めています。オフの日にもスーツを着こなす男性には、共通する“品”と“余裕”があります。週末スーツは、単なる「おしゃれ」ではなく、大人の知性と美意識を語る手段なのです。

「オーダースーツって、いつ頼むのが正解なんだろう？」そう疑問に思う方は、意外と多いもの。実は、**季節によって選ぶべき生地やスタイル、そして“仕立ての目的”**はまったく異なります。オーダースーツカマクラでは、単に「今着たい服」ではなく、“今作っておくべき服”をご提案しています。本記事では、四季を通じて最高の一着を仕立てるためのタイミングを、クラシックな視点から解説します。

―それは“古さ”です。今、ファッションの最前線では静かな逆流が起きています。時代は令和。けれど、スーツの世界では「クラシック回帰」が止まりません。この記事では、現代（令和）のスーツと、いわゆるクラシックスーツの違いを解説しながら、なぜ今“古いスーツ”にこそ本質があるのかを紐解いていきます。

「なぜイギリス人は、馬を見るのにあんなにも正装するのか？」これは、ロイヤルアスコット（Royal Ascot）を初めて見た日本人の多くが抱く素朴な疑問です。――けれど、それはただのファッションではない。誇りと伝統を“装う”という行為に他なりません。スーツの本場・英国で最も格式高い社交場、ロイヤルアスコット。この競馬場では、**ドレスコードに従えない者は「観戦すら許されない」**という厳しさが存在します。そこで今日は、スーツを愛する者としてこの「ロイヤルアスコットとドレスコード」の世界を、深く掘り下げてみましょう

なぜ、今“時代遅れの服”がかっこよく見えるのか？一周まわって「面倒な服」が、美しい理由最近、街でこんなスーツを見かけることが増えてきました。・太めのラペル（襟）・高いウエスト位置のパンツ・肩パッドを極限まで削った、なだらかなライン・ベルトレ...