【ぜひ!読んで】なぜ私が、自分用に1950年代のクラシックスーツにこだわり作り続けるのか

⑤《スタッフブログ》スーツのマナーやスーツの現状について
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— オーダースーツカマクラが“再現”するのは、完成されたスーツの姿 —

「流行ではなく、“完成された型”を着たい人へ。」

世の中がトレンドに右往左往している時代。
肩パッドを外し、ラペルを削り、シルエットを細くしたかと思えば、また太くする。
ファッションが常に“変わること”を求められる今だからこそ、私は変えないという選択をしています。

それが、「1950年代のクラシックスーツ」です。

1950年代スーツは、スーツが“完成”した時代

1950年代のスーツには、ある到達点としての美しさがあります。
それまでの時代が試行錯誤の連続だったとすれば、この年代は、スーツがバランスと機能美を獲得し、
はじめて“完成された男の服”として確立された時代でした。

・3つボタン段返りのジャケット
・しっかり構築されたショルダー
・深めの股上、太すぎないスラックス
・ベスト(ウェストコート)あり/なしの自由な選択肢
・サスペンダーからベルトへの移行期(私は断然ブレイシーズ派です)

つまり1950年代は、スーツの機能・美しさ・自由度が絶妙な均衡を迎えた時代。

この“型”がなぜ今も力強く支持されるのか。
それは、どんな時代でも男性の佇まいを整える「軸」があるからです。

私が作るのは、1950年代を基盤とした“現代のパワースーツ”

Order Suit KAMAKURAでは、お客様のスーツを仕立てる際、必ず1950年代のスタイルを骨格に据えます。

とはいえ、それは古臭いレプリカではありません。
むしろ、そこから現代の体型に合わせた補正を丁寧に行い、
それぞれの骨格・肩傾斜・胸板・姿勢に合わせて、“一番かっこよく見える形”に再設計します。

たとえば:
        •       なで肩の方には構築的な肩パッドを、
        •       怒肩の方にはパッドの角度を落としてなだらかなシルエットを、

といったように、見え方のバランスを軸にした設計思想。
これが、私たちが“パワースーツ”と呼ぶ理由です。

他のオーダースーツ屋とは、立ち位置が違います

最近は「トレンド重視」のオーダースーツ店も増えてきました。
ですが、Order Suit KAMAKURAはそこには与しません。

なぜなら、スーツにこそ“歴史”と“品格”が必要だと考えているからです。
単なる服としてではなく、着る人の人生や意志が映るものとしてのスーツ。
その深さを、1950年代のクラシックスーツに見出しているのです。

流行で作るスーツと、歴史で作るスーツは違う。

ファッション業界には常に「流行」があります。
短い着丈、細すぎるラペル、極端にタイトなシルエット――。

でも、スーツは“流行り服”ではありません。
歴史から紐解いて生まれた設計思想そのものです。

私はお客様にスーツを仕立てるとき、常に1950年代の設計図を基準にします。
そこから現代の体型や着用シーンに合わせて、補正と調整を加えていく。
だからこそ、着る人に「似合う」のではなく、「馴染む」スーツができるのです。

スーツは「記号」ではなく「力」だ

1950年代のスーツをまとうと、不思議と“整う”感覚がある。
それは、歴史的な男たちがそうであったように、
きちんと装うことで人の内面が自然と引き締まるから。

だから私は、このクラシックを繰り返し再現し続けます。
「誰かに見せるため」でなく、「自分の軸を整えるため」にスーツを着る人のために。

私は、1950年代のスーツを「再現」するのではなく、
その**思想と設計美を“現代に進化させて再解釈する”**ことを目的としています。

クラシックは古くない。
クラシックは、完成されたデザインのこと。

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