ストライプを、品よく着たかった。
ずっと、ストライプのスーツが欲しかったんです。
でも、なかなか作れませんでした。
理由は単純。
私が着ると、イカつくなりそうだったから。
私は身体も大きい。
そこに強いストライプを乗せると、どうしても威圧感が出る。
極端に言えば、昔から私の中には「ストライプ=ちょっとヤクザっぽい」という印象がありました。
でも、格好いいんですよ。ストライプスーツ。
だからずっと、
「このイカつさを残しながら、品よく自分のものにできないか。」
と考えていました。
「これしかない」と思ったストライプ
ストライプのスーツを作りたくて、いろんな生地を見ていました。
でも、なかなか「これなら」と思えるものに出会わない。
そんな時に見つけたのが、
KUNISHIMA1850のネイビー×シルバー系ストライプ。
見た瞬間、「これしかない!」と思いました。
今回は、私にとってちょっとした挑戦です。
ストライプの強さを消すのではなく、その強さを残したまま、どう品よく仕立てるか。そこから設計を考えました。
あえて、少し野暮ったくする。
この一着のラペル幅は10cm。
ゴージもやや低めです。
この頃から、私はそれまでよりラペルを少しずつ広くするようになっていました。
今回、それがかなり効きました。
ストライプのシャープさに対して、ラペルまで細く鋭くしてしまうと、全体が強くなりすぎる。
だから、少し幅を持たせる。
言ってしまえば、ちょっと野暮ったさを加えたんです。
これでストライプのイカつさが少し和らいだ。
結果、正解でした。
どっしり着る。
シルエットにも、普段より少しゆとりを持たせています。
この生地を細く、シャープに着たいとは思いませんでした。
どっしり着たかった。
ただ、大きく作ればいいわけではありません。
基本となるシルエットは崩さず、必要なところに数値でゆとりを加える。
身体への補正は、いつもの自分の設計です。
そして3ピース。
なぜ3ピースなのか?って?
格好いいからです。^_^
そこは、それ以上でもそれ以下でもありません。

「格好良!!!」
出来上がって着た時は、
「格好良!!!」でした。
狙っていた強さはちゃんとある。
でも、ただイカついだけじゃない。
少し野暮ったさもある。
重さもある。
いい塩梅でできた。そう思いました。
今でも普通に仕事で着ています。
しっかりした冬生地なので、出番はだいたい12月から2月末くらい。
実は以前、子どもの七五三でロロ・ピアーナのスーツを着るつもりだったところ、大雪で寒すぎて断念しました。
その代わりに着たのが、この一着です。
仕事でも着る。
家族の式典でも着る。
結果として、かなり使っているスーツになりました。
これも「究極の普通」です。
「究極の普通」というと、ネイビー無地。クラシックなスーツ。
決まったラペル幅。
決まった着丈。
そんな“型”のことだと思われるかもしれません。
でも、違います。
柄がどうとか、生地がどうとか、そんな話ではありません。
明確な基準がある。
そこから、
その人の要望。
人柄。
仕事。
着る場面。
そして、誰にどう見られるのか。
それらを加味して、設計を変えていく。
だから「究極の普通」は、その人、その一着ごとに変わります。
全部同じ設計にしたら、それは私にとってオーダーではありません。
基準はある。
でも、答えは一つじゃない。
このストライプの3ピースも、私にとっては間違いなく、「究極の普通」の一着です。
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生地・仕様
生地:KUNISHIMA1850
ネイビー×シルバー系ストライプ/冬物
仕様:シングル3ピース
ラペル幅10cm
ゴージやや低め
通常よりややゆとりを持たせたシルエット
体型補正あり



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